Studying Intellectual Property Law

みなさまの知財学習のお手伝い

米国出願とパリ優先権

こんにちは

 

米国特許には日本にはない制度があります。

  • 仮出願(Provisional Application)   
    • 仮に出願して出願日の確保
    • クレームなくてもOK, 論文みたいなものでも受け付けられる。
  • 一部継続出願(continuation-in-part) 
    • すでに出願されているものに後から実施例の追加
    • 日本の国内優先と違い、1年を超えてもOK

米国のこれらの出願を基礎として、日本特許庁にパリ条約で(1年以内なら)優先権主張できるのでしょうか。

つまり問題は、パリ条約でいう正規の出願になるのかという点です。そうであればパリ優先権の基礎出願になります。

 

特許法43条ではわからないのですが、リンク先の特許審査基準の特殊な出願にあるように仮出願では可能、一部継続出願では不可能ということになります。

特許審査基準

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/document/index/05_0100.pdf

 

仮出願でも正規の出願なの?と不思議な気もしますが、米国では仮出願も正規の出願と扱われ日付が確保されるということで、それに基づいて日本でパリ優先権による出願ができるということです。

 

裏技として、とりあえず米国に仮出願しておいて出願日を確保してから、後でそれを基礎として日本で出すというのがあるようです。

さらに日本語(外国語)でも米国に仮出願することもOKということです。

しかしわざわざ日本語の文献を米国特許庁に出して、パリ優先権で日本特許庁に改めて出願するというのも不思議な気がしますが。

これが認められるのなら日本にも仮出願の制度があってもよさそうですね。